年末から翌年1月にかけて、会社員の方は勤務先から「源泉徴収票」を受け取ります。住宅ローンや保育料の申請、確定申告などで使う大切な書類ですが、専門用語が多くて読みづらいと感じる方も多いはずです。

この記事では、源泉徴収票の主要な項目を、初めて見る方にもわかるようにやさしく解説します。

この記事でわかること

  • 源泉徴収票とは何のための書類か
  • 主要な4項目(支払金額・給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・源泉徴収税額)の意味
  • 「内」と書かれた数字の意味
  • 確定申告・住宅ローン・保育料申請などで使うとき
  • よくある質問(FAQ)

まず結論

源泉徴収票は、勤務先がその年の給与・控除・納めた所得税をまとめた公式書類です。

  • 1年間(1月〜12月)の支払総額
  • 給与所得控除後の金額
  • 各種所得控除の合計
  • 源泉徴収された所得税の年税額

これらが1枚にまとまっています。確定申告・住宅ローン審査・各種給付や保育料の判定など、収入を証明する場面で使われます。

対象になる人

源泉徴収票は、給与の支払いを受けたすべての人に勤務先から交付されます。

  • 会社員・公務員
  • パート・アルバイト
  • 役員報酬を受け取っている人
  • 年の途中で退職した人(退職時にも交付されます)

年の途中で転職した場合は、前職の源泉徴収票を新しい勤務先に提出する流れになります。

主要項目の見方

源泉徴収票の主要な4つの項目を順番に見ていきましょう。

1. 支払金額

国税庁の様式・解説では、「支払金額」は給与等の総収入金額を表します。 1年間に受け取った給与・賞与の合計(税金や社会保険料が引かれる前の額)です。いわゆる「年収」にあたります。

2. 給与所得控除後の金額

「給与所得控除後の金額」は、給与所得控除を差し引いたあとの給与所得の金額です。

国税庁の説明によれば、給与所得の金額は「給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出」されます。給与所得控除は、会社員にとっての概算経費のような位置づけです。

3. 所得控除の額の合計額

「所得控除の額の合計額」は、社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除など、各種所得控除を合算した金額です。

国税庁の手引きでは、年末調整を実施した受給者の源泉徴収票には、給与所得控除後の金額から差し引いた次のような控除の合計額が記載されるとされています。

  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除 など

4. 源泉徴収税額

「源泉徴収税額」は、その年に勤務先が天引きして納めた所得税の年税額です。年末調整で精算された後の最終金額が記載されます。

「内」と書かれた数字

国税庁のQ&Aでは、源泉徴収税額欄や社会保険料等の金額欄に「内」と書かれた数字は、その項目に含まれているうちの一部の金額を内訳として示すものと説明されています。たとえば社会保険料控除の「内」は、小規模企業共済等掛金控除の金額を示すケースなどがあります。

確認するポイント

源泉徴収票を受け取ったら、次のポイントを確認してみましょう。

  • 支払金額が、自分の認識する年収と大きくずれていないか
  • 所得控除の額の合計額に、年末調整で提出した控除がきちんと反映されているか
  • 源泉徴収税額がゼロでも、年末調整で全額還付されたケースなどがあり得る
  • 扶養親族の数が正しいか
  • 住宅ローン控除を受けている場合、控除額の記載があるか

不明点があれば、勤務先の経理担当者に早めに確認しましょう。

手続き・使う場面

源泉徴収票は次のような場面で使います。

用途概要
確定申告医療費控除・ふるさと納税・副業所得などの申告に使う
住宅ローン審査金融機関に収入証明として提出
保育料・各種給付の判定自治体への提出書類として使うケースがある
転職時新しい勤務先で年末調整を受けるために提出

紛失した場合は、勤務先に再発行を依頼できます。

注意点

  • 源泉徴収票は重要な個人情報です。マイナンバーが記載される場合もあり、保管・送付には注意してください。
  • 退職した会社からの源泉徴収票は、転職先の年末調整で必要になります。手元にない場合は早めに依頼しましょう。
  • 副業や複数の給与がある方は、すべての勤務先の源泉徴収票を確認のうえ、必要に応じて確定申告を行います。
  • 個別の項目の意味や、自分の税額が正しいかの判断は、税務署・税理士などの専門家にご相談ください。
  • 様式や記載要領は改正される場合があります。最新情報は国税庁の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1. 源泉徴収票はいつもらえますか? A. 一般的に、年末調整の精算後、12月の給与明細翌年1月に交付されます。退職時は退職後1か月以内が目安です。

Q2. 源泉徴収票と給与明細はどう違いますか? A. 給与明細は毎月の支払い内訳、源泉徴収票は1年分の合計と税金をまとめた書類です。

Q3. 源泉徴収税額がゼロなのですが、なぜですか? A. 年末調整の結果、各種控除によって最終的な所得税額がゼロ円となる場合があります。月々の天引き分が全額還付されたケースなどが該当します。

Q4. 源泉徴収票を紛失したらどうすればよいですか? A. 勤務先の経理・人事担当者に再発行を依頼してください。退職した会社にも依頼できます。

Q5. 副業の収入も源泉徴収票に載りますか? A. その勤務先で支払われた給与のみが記載されます。複数の勤務先がある場合は、それぞれから源泉徴収票を受け取り、必要に応じて確定申告を行います。

まとめ

  • 源泉徴収票は、1年間の給与・控除・所得税がまとまった大切な書類
  • 主な項目は「支払金額・給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・源泉徴収税額
  • 確定申告・住宅ローン審査・保育料判定など、収入証明として幅広く使う
  • 紛失したら勤務先に再発行を依頼できる
  • 最新の様式・記載要領は国税庁の公式サイトで必ずご確認ください

毎年受け取る書類だからこそ、見方を知っておくと家計管理にも役立ちます。

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参考資料